教育研修レポート
かつやまきのくに子どもの村学園
第2回

2019.09.30
お知らせ

前回の訪問から2か月後の9月26日、かつやまきのくに子どもの村学園の校内見学会に参加してきました。

我々家族以外にも何組かいらっしゃって、校長先生が終始案内してくださいました。

以下、校長先生のお話より。

~小学校について~

1学年10人で6学年あるが、能力に応じて分かれる。学年の区別はなく、差は気にならない。

学校生活は以下おおまかに3つの時間に分けられている

プロジェクト 週の半分はプロジェクト学習。今年は、よくばり菜園(畑、農など)とクラフト(木工、ベランダ作りなど)の二つに決め、どちらか選択する。1年単位。毎年、大人が衣食住を中心としたテーマでプロジェクトを考える。それぞれのプロジェクトを3人ずつの大人が担当する。

基礎学習 「ことば」と「かず」の二つ。教科書は参考程度に使用する。言葉は人に伝える手段なので、体験したことを原稿に書いていく。形式に捉われない。 数の概念などを学ぶ時は、なるべくプロジェクトと結びつけている。例:木工から直角の概念を体得したり、コンクリート作りで割合を学んだりしている。

チョイス(自由選択) ダンス、陶芸、バスケ、野球、藍染め、きのこの芯打ちなど。

宿題はない。夏休みも宿題がない。試験もない。

冬場は雪遊び中心。

~中学校について~

英語は会話中心。理科や社会は実験とレポート中心。試験はない。

プロジェクト・・・道具館(焼き物など)とアカデミー(社会問題 例:原発のこと、本を作る)。小学校より専門的・本格的な活動になる。

中学校卒業時には高校合格する学力が身に着いている子が多い。

高校でも上位の成績を修める子もいる。

何のために勉強するのかを自分自身で理解納得しており、学ぶことへの意欲、興味、関心が高い。

ある卒業生から「〇〇大学(難関と言われている私立大学)で首席取れなかったです!」と報告もあった。

修学旅行は自分たちで決める。例えば、予算3万以内の旅行プランを自分たちで考える。中学生はイギリス行きか国内旅行かを選択できる。

運動会は自分たちで種目を考え、出たい種目に出る。練習しない。

全寮制。4人~8人の学年バラバラの部屋割り。金曜日の15時に自宅へ帰り、月曜の13時に登校する。

道徳は教えない。生活すべてが道徳なので、経験して学ぶ。

全校ミーティングが週に一度ある。大人はなるべく口出ししない。必要に応じてはする。議題内容は、運動会のことや「あいつが睨んでくる」ということなど様々ある。

子どもの村の大人は「先生」ではなく、ニックネームで呼ばれている。慣れ慣れしいのではなく、フラットな環境づくりの為。

~感想~

私たち参加者がどんな質問をしても誠実に丁寧に応えてくださる校長先生。その穏やかな語り口や物腰から、子どもたちに対する真摯さと温かさが感じられました。

お話の後は校内を見学させていただきました。小学生の英語の授業をちょうどされており、どの子も楽しそうに発言していたのがとても印象的でした。

後日、この学校で教員として働いていらっしゃた方にもお会いする機会があり、子どものたちのこと、生活のこと、教師からみた「きのくに子どもの村」のことをお伺いすることができました。その際、その方から「あなたにとって教育とはなんですか?」と質問をされ、私自身、答えに戸惑ってしまいました。その方に逆に質問をさせていただいたところ、こう答えられました。

「教育とは邪魔をしないことではないかな、と思うんです」と。

その言葉を聞くまで私自身、教育に関するハウツー本や、流行りの育児書を読み漁って「正解」の子育てを求めていましたが、この「邪魔をしない」という言葉を聞いてなにか自分の中で納得がいったというか、ストンと腑に落ちた感覚になりました。子育てに「正解」も「不正解」もないんですよね。子どもにとっても、そんなこと求められても迷惑でしかない(笑 私も今、日々子どもたちと接するときは、「邪魔をしない」ということを一番心がけています。
とはいうものの、気が付くと、あれだめ、これだめ、こうしたら、ああしたら?と、邪魔ばっかりしちゃっているんですけどね..。

きのくに子どもの村学園の園長先生、スタッフの皆さんありがとうございました。

(飯貝真美子)

この記事をシェアする

FacebookTwitterLINE